腫瘍栓のすべて
腫瘍栓の外科治療 切除のコツと予後からみた適応 門脈内腫瘍栓(2) 肝細胞癌門脈腫瘍栓症例に対する肝機能に応じた手術戦略
井上 陽介
1
,
國土 典宏
,
幕内 雅敏
1東京大学 肝胆膵外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
肝細胞癌
,
肝切除
,
門脈
,
流血中腫瘍細胞
Keyword:
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Medical Illustration
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Portal Vein
pp.160-165
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008135405
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門脈腫瘍栓(PVTT)を有する肝細胞癌(HCC)に対しては、外科切除が唯一根治を期待できる手段であるが、手術侵襲が大きくなりやすく、術後合併症率、術関連死率は通常の肝切除より高い。筆者らの施設ではPVTT合併HCCの肝切除の適応、切除範囲は術前の肝予備能と主病巣の進展範囲から決定する。PVTTに対しては、門脈壁をできるだけ温存しつつ肉眼的根治を目指す方針としており、PVTTの進展度に応じて三つの処理法を工夫し使い分けている。この治療範針により、通常の肝切除と同等の安全性と、比較的良好な長期成績を両立することができる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008