発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008098648
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69歳男。患者は経口摂取困難、血痰、咳嗽、嗄声を主訴とした。胸部CTおよび上部消化管内視鏡では胸部上部から中部食道にかけて約9cm大の全周性の2型腫瘍が認められ、一部が気管に浸潤して瘻孔を形成していた。全身化学療法を開始したが、徐々に喘鳴と呼吸困難が増悪、気管支鏡にて気管分岐部の気管膜様部から気管内腔に突出する腫瘍によって、気管内腔が50%以上狭窄しているのが認められた。早急な気道ステント留置が必要と判断し、percutaneous cardiopulmonary support下のDumon-Yステント留置術を施行した。これによって気管狭窄は解除され、食道気管瘻も閉鎖された。次に、経口摂取を容易にするため初回留置から51日後、Ultraflex食道用カバーステントを用いてダブルステントとして対処した。そして初回留置後、放射線療法を併用して全身化学療法を再開した。目下、ダブルステントとなって6ヵ月が経過、外来化学療法を継続中であるが、誤嚥性肺炎の発症もなく、経口摂取も可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007