投稿論文 短報
硬性気管支鏡下気管ステント留置術後のobstructive fibrinous tracheal pseudomembraneの1症例
高橋 裕明
1
,
井上 一由
,
越智 香織
,
鈴木 雅美
,
大岩 雅彦
,
大西 淳司
,
谷津 祐市
,
平崎 盟人
1香川県立中央病院 麻酔科
キーワード:
気管狭窄
,
気管支鏡法
,
ステント
,
Fibrin
Keyword:
Fibrin
,
Stents
,
Tracheal Stenosis
,
Bronchoscopy
pp.139-142
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020182760
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69歳女。数年前に肺結核と診断され内服加療中、気管狭窄をきたし、全身麻酔下に気管ステント留置術を施行された。以後、気管狭窄の再発を繰り返し、その度に気管ステントの入れ替えが行われていた。今回、再度気管狭窄をきたし、硬性気管支鏡下に気管ステントの入れ替えが行われた。手術は問題なく終了し、術後2日目から離床を開始したが、離床後から喉の奥が詰まるような感じを訴え、呼吸困難が出現した。気管ステントの異常を疑って胸部X線を施行したが、ステントの位置異常は認められなかった。気管支鏡検査を行ったところ声門下に黄白色の病変による狭窄を認め、喉頭・声門下浮腫と診断した。浮腫が進行した場合には窒息の恐れがあるが、気管ステント留置中のため気管切開術は行えないことから人工呼吸器管理の方針とした。自発呼吸下にエアウェイスコープで声門・声門下を観察し、声門下狭窄を認めたが、挿管チューブが通るスペースはあったため、Portex tracheal tubeを挿入した。その際、挿管刺激による咳き込みがあり、咳とともに肉芽様組織が挿管チューブから排出され、同組織の病理組織所見からobstructive fibrous tracheal pseudomembraneと診断した。
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