膵頭十二指腸切除術(PD)をめぐる諸問題
中下部胆管癌に対するPDの予後因子、至適手術
阪本 良弘
1
,
梶原 崇弘
,
江崎 稔
,
島田 和明
,
小菅 智男
1国立がんセンター中央病院 肝胆膵外科
キーワード:
リンパ行性転移
,
膵空腸吻合術
,
膵頭十二指腸切除
,
生存率
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
リンパ節郭清
,
治療成績
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Pancreaticojejunostomy
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Cholangiocarcinoma
pp.890-896
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007337346
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中下部胆管癌に対する標準的な外科治療は膵頭十二指腸切除術(PD)である。胆管癌は胆管の長軸方向に沿って進展する性質があるため、肝臓側の胆管切離断端が陽性となる場合があるが、胆管断端の意義や取扱いについては一定の見解は得られていない。1998~2005年に当科で施行した中下部胆管癌に対するPD37例の在院死亡率は0%、5年生存率は55%と良好であった。胆管断端以外の剥離断端陽性例は明らかに予後不良であったが、胆管断端陽性例は陰性例と同等の予後を維持し、多変量解析では剥離断端と分化度が独立した予後因子であった。腫瘍近傍の剥離断端が明らかに陽性と考えられる場合は、遠位の肝臓側胆管を執拗に追求することの臨床的意義は認められないと考えられる。
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