発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006203161
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62歳男.意識消失の精査中,胃吻門部の易出血性に3型腫瘍を認めた.その途中,突然,大量に吐血して出血性ショックとなり,緊急手術を行った.止血後,胃全摘術,2群リンパ節郭清,Roux-en-Y再建を行った.術後経過は良好で,TS-1による化学療法を2クール行った.しかし,術後5ヵ月で多発肝転移,膵周囲の再発,傍大動脈リンパ節転移が出現した.Etoposide,adriamycin,シスプラチン(CDDP)によるEAP療法を行ったところ,1クール終了時,肝転移,再発腫瘍は著明に縮小し,血中NSEは正常化した.計9クールの施行が可能であったが,その後,肝転移は再燃し,術後16ヵ月で死亡した.胃小細胞癌には,CDDPをベースにした化学療法を考慮すべきではないかと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006