発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004013568
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報告者によっては,これまで肝切除のよい適応とされてきた1~2個の小さい肝細胞癌こそが肝移植の絶好の適応であると報告する者もある.しかし,担癌肝硬変患者で,かつ肝機能上肝切除に耐えない症例に対する肝移植の適応を考えるときの条件を示したと考えるのが妥当であり,殆ど生体肝移植しか移植臓器供給の道がない我が国の現状では,硬変肝に発生した肝細胞癌に対しては,まず移植以外の適応可能な治療法を行い,肝機能や腫瘍の進展をみながら移植を考慮する方針が妥当と思われる.又,一方でドナー不足に関しては,異種グラフトやティッシュエンジニアリングによる同種再生組織の開発が期待されている
©Nankodo Co., Ltd., 2003