肝細胞癌切除後の長期成績向上を目指して
初発病巣の治療 胆管腫瘍栓合併例の肝切除
島田 和明
1
,
阪本 良弘
,
江崎 稔
,
梶原 崇弘
,
浅川 真巳
,
小管 智男
1国立がんセンター中央病院 肝胆膵外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
生存率
,
塞栓術
,
胆管腫瘍
,
流血中腫瘍細胞
,
胆管切除術
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Embolization, Therapeutic
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Survival Rate
pp.520-525
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007209492
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胆管腫瘍栓を伴う肝細胞癌の頻度は、外科切除例では1.7%程度で比較的まれである。外科切除を行うには区域切除以上の肝切除が必要なため、黄疸例には確実な減黄処置が必要である。さらにほとんどの症例では障害肝であるため残肝予備能の評価を行い、必要な場合は門脈塞栓術を行う。切除例の長期成績は比較的良好で、自験例の検討では術後5年生存率は50%であった。重要な予後規定因子は治癒切除をなしえること、肝内転移が認められないことであった。術後再発に対し、非手術治療を安全に行うことを考慮すれば、組織学的に胆管浸潤がなければ肝外胆管切除は可及的に避けるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007