発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007206120
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61歳男。検査所見にて高度の貧血及び炎症反応を認め、腹部造影CT所見にて右側腹部に周囲は淡く造影効果を伴う腫瘤を認め、内部に低吸収域とガス像を認めた。広範囲躯幹部拡散強調背景信号抑制法では腹部CTの腫瘤と一致した位置に拡散強調画像で強い低信号を示す病変を認め、小腸造影では右側腹部の小腸に境界明瞭で辺縁不整な陰影欠損像を認めた。小腸腫瘍と診断し開腹手術を施行し、右側腹部の小腸に一部上行結腸と癒着した腫瘍を認め、流入血管周囲のリンパ節郭清を含めた小腸切除及び回盲部切除術を施行した。切除標本で小腸に7×11×3cm大、表面不整な黒褐色調の腫瘍を認め、病理組織所見ではラブドイド細胞の増生が認められた。免疫組織化学的にはサイトケラチン陽性、ビメンチン陽性、デスミン陰性、α-smooth muscle actin陰性であった。術後経過は良好で、術後6ヵ月に施行した腹部CTでは明らかな再発所見は認められない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007