発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007206119
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81歳男。7年前にS状結腸癌にてS状結腸切除を施行され、外来で経過観察されていたが、1ヵ月前より食欲不振、悪心、嘔吐を認めた。上部内視鏡検査にて胃中部小彎にIIc病変を認め、細胞診にて中分化腺癌と診断され、超音波検査で胆嚢結石症の合併も認めた。胃癌及び胆嚢結石の診断で、幽門側胃切除術D1+α郭清、Billroth II法再建、胆嚢摘出術を施行した。術後6病日より経口摂取を開始したが嘔吐を繰り返すため、7病日に経口造影を行い、残胃挙上空腸間の通過が不良で、吻合部浮腫に伴う通過障害と判断し、絶食点滴、経鼻胃管留置による残胃減圧を行い経過観察とした。術後20病日を経過し透視検査を行ったが、小腸への造影剤の通過はなかった。22病日に経皮内視鏡下腸瘻造設術(PEGJ)を行い、PEGJ後3日目に経管栄養を開始し、4日目より飲水を開始した。19日目に経口摂取開始とし、42日目にPEGJを留置したまま退院となった。PEGJ後71日目の経口透視検査では吻合部通過障害は消失していた。
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