発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007150014
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74歳男(症例1)。2ヵ月前から前胸部痛を自覚し、食道内視鏡で0-I型の病変を認め、食道癌の診断で入院した。食道X線で胸部中部食道後壁に表面が比較的平滑な隆起性病変を認め、内視鏡では上門歯列より40cm後壁に病変を認めた。生検で扁平上皮癌が疑われたが、胸部CTでリンパ節や他臓器転移は認めなかった。肺には著明な気腫性変化を認め、主要動脈は石灰化が高度であった。非開胸食道抜去術を施行し、病理所見は類基底細胞癌であった。術後8年6ヵ月、転移・再発なく順調に経過した。70歳男(症例2)。上腹部不快感を認め、食道内視鏡で上門歯列より30cmに粘膜下腫瘍様の病変を認め、食道癌の診断で受診した。生検で低分化の扁平上皮癌が強く疑われ、非開胸食道抜去術を施行した。病理所見は類基底細胞癌であった。術後4ヵ月、縦隔・腹部大動脈周囲リンパ節転移を認め死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007