発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007150015
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76歳男。腎臓癌に対し左副腎摘出、大動脈周囲リンパ節郭清術を受けた。術後1週間後、再開腹でリンパ管結紮術を受けた。外来で利尿薬投与を受けていたが腹部膨満感が増強し、ADL低下も認められたため、腹水コントロールのため入院した。血液検査で軽度腎障害を認め、絶食、補液を開始し、利尿薬内服を継続した。腹腔内にカテーテルを留置し腹水を吸引した。腹水は乳白色で、細胞診はクラスII、細菌培養は陰性で、腹水中の中性脂肪は高値であった。腹部CTでは腹部は膨隆し、腹腔内に多量の腹水を認めたため、癒着を期待し持続ドレナージとした。octreotide acetate腹注、OK-432連日投与を行った。ドレーンは閉塞を認めたため抜去した。乾燥濃縮血液凝固第XIII因子連日投与した。保存的治療効果が不十分なため腹腔静脈シャント術を行い有効であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007