発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007150013
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救急室を受診し、大量下部消化管出血でショックを呈し、従来検査で部位診断不能か、だいたい診断できた手術前提に詳細な部位特定が望ましい症例で動脈造影CT(CTA)を施行した4例(男3例、女1例、41~64歳)を対象に、大量下部消化管出血の際のアルゴリズムについて検討した。4例共にCTAで詳細な出血部位診断が可能であった。静脈造影CTが施行された3例ではいずれも出血源の特定はできなかった。血管造影検査では2例で出血部位の推定が可能で、残り2例では出血源不明であった。出血シンチグラフィでは3例に出血を示唆する集積像を認めたが、1例では出血源不明であった。下部消化管出血では診断法や担当する専門医が多岐にわたるため、緊急時に時間を要さないように各施設の実情に合わせた診断と治療のアルゴリズムを確立しておくことが肝要と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007