食道癌外科治療のすべて
結腸による食道再建
上野 正紀
1
,
宇田川 晴司
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 消化器外科
キーワード:
回腸
,
局所血流
,
結腸
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
食道切除
Keyword:
Colon
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoplasty
,
Ileum
,
Regional Blood Flow
,
Esophagectomy
pp.350-354
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017206049
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食道癌術後の再建は,胃を用いることが標準術式である.胃が使えないときには小腸,結腸などを用いることになる.再建臓器にかかわらず,縫合不全や再建臓器壊死など重大な合併症は避けなければいけない.胃挙上再建を行うときには標準的な方法が定まっており,さらなる工夫を重ねている.小腸や結腸に関しては適応症例が少ないこともあり,小腸にするか結腸にするか,その使用部位は,使用する血管と切離する血管は,再建経路は,など悩みつつ手術を行うことになる.壁内血流に期待できない小腸,結腸は血流の維持がもっとも大切な点の一つである.われわれが現在行っている回結腸再建,特に血流の確保を中心に解説した.
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