発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006203158
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性虫垂炎における医療従事者,患者双方の負担(経済的,肉体的,精神的)軽減を目的に,手術実施のタイミングを検討した.2003年1月~2005年6月の急性虫垂炎手術84症例を対象とした.カタル性から穿孔性へと病状が進行するに連れ,入院日数,術後日数,入院費用,及びsurgical site infectionの割合は増加した.対象を勤務時間内手術32例(A群),時間内開始・時間外終了34例(B群),時間外手術18例(C群)に分けた.病院の収益は,B群では患者側に手術麻酔費用の時間外加算ができないため,A群に比べて1件当たり平均31610円の病院の支出増しとなった.C群は,病院側が手術麻酔点数を加算でき,A群に比べて1件当たり平均41320円(3割負担)の患者側の支出増しとなった.重症の腹膜炎などがない"待てる"症例であれば,時間内の予定手術にすべきである.しかし,重症例(壊疽性,穿孔性症例)では,更なる重症化が患者の負担を増加させる可能性も考えられ,時間外緊急手術もやむを得ないと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006