発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008366261
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2003年1月~2006年12月までの著者らの施設における虫垂炎手術例178例を対象に、休日手術例の不利益性の有無を検証した。その結果、1)手術日は平日群が130例、休日群が48例(27.0%)であった。2)術前所見ではWBC、CRP値は両群で有意差がなかったが、術前有症状期間は休日群が有意に短く、また平均年齢は休日群が有意に若かった。3)手術に関しては、手術所要時間、出血量は両群で有意差を認めず、回盲部切除などの他臓器合併切除例は平日群で有意に多かった。4)病理組織学的所見では、切除虫垂そのものの重症度は両群で有意差を認めなかった。5)術後経過では、術後入院期間は休日群の方が約3日間短く、術後合併症については両群で差を認めなかった。以上、これらのことからも休日手術虫垂炎は病院の通常勤務体制ではないという特殊な状況下で施行されたにもかかわらず、不利益をこうむることはなく、むしろ経過は良好であることが確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008