発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036510
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76歳女.糖尿病,高血圧,慢性腎不全で治療中,右下腹部痛が出現し,CTで回盲部に強い炎症所見を指摘された.急性虫垂炎を疑い緊急手術を行った.虫垂は穿孔しており,大網が覆っていた.虫垂および大網の一部を切除し,ドレーンを挿入し手術を終了した.術後経過は順調であったが,7日目に創より膿が流出し,腹壁がし開した.CTでは手術創部の肥厚と強い炎症性変化を認めたが,腹腔内膿瘍は認めなかった.術後10日目に不穏状態,呼吸困難が出現し,低酸素血症,右胸水の貯留および心陰影の拡大を認めた.敗血症あるいは肺塞栓を疑い,抗凝固療法を開始すると共に挿管し呼吸管理を開始した.右心カテーテル検査で肺血性ショックが疑われ,創の徹底的なデブリドマンおよび洗浄を施行した.膿の細菌培養はStreptococcus milleri,Ec.faecalisであった.人工呼吸器による呼吸管理を6日間行い,創治癒に時間を要し3ヵ月後に全治退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004