手術vs非手術 最新のエビデンスから
消化器疾患 食道癌
阿久津 泰典
1
,
松原 久裕
1千葉大学 先端応用外科
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
腫瘍多剤併用療法
,
食道腫瘍
,
生存率
,
リンパ節郭清
,
EBM
,
アルゴリズム
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
放射線化学療法
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Algorithms
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
Esophageal Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Evidence-Based Medicine
,
Chemoradiotherapy
pp.1469-1472
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011072393
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近年、切除可能食道癌に対しても化学放射線療法が施行されている。本稿ではStage I~III(T1b~T3)に対する手術療法と非手術療法(化学放射線療法)について述べる。Stage I食道癌において、救済治療を含んだ化学放射線療法の治療成績(JCOG9708)は当科やハイボリュームセンターでの手術成績には及ばなかった。Stage I食道癌に対しては手術が標準治療と考えられる。Stage II/III食道癌における化学放射線療法の成績(JCOG9906)は3年生存率が46%、術前化学療法+手術(JCOG9907)の3年生存率は63%であったため、このStageの食道癌に対してもやはり手術が標準療法である。また当科における化学放射線療法による臨床的CR例の手術標本上でのCR率は37.5%であり、化学放射線療法単独での治癒は困難であると思われる。今後の食道癌治療においては、手術を中心とした集学的治療の開発が望まれる。
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