発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006157651
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47歳女.患者は腹部CTで肝右葉,肝外側区域,肝S1から一部S4を占拠する多発性転移性肝腫瘍を指摘された.腫瘍切除術前,経皮経肝門脈塞栓術(PTPE)で肝右葉を塞栓した.門脈内には腫瘍栓・血栓は認めず,門脈本幹から後区域枝,前区域枝,左枝の順で分岐する形態であった.前区域枝,後区域枝にそれぞれ分けて塞栓し,左枝へ血流が良好であることを確認した.特に合併症もなく,PTPE後16日に手術を施行した.術中,門脈本幹から左枝にかけて血栓を認め,血栓を摘出して健常血管部で門脈を再建し,再発予防に門脈内カテーテル(PVC)を挿入し,heparin,PGE1を使用した.しかし,再発し,高アンモニア血症による意識レベルの低下,肝不全状態となった.そこで,PVCからurokinaseを注入したところ,臨床症状は徐々に改善し,術後41日目に軽快退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006