発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339104
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症例は49歳女性で、左下葉肺腺癌に対し胸腔鏡補助下左肺下葉切除術、リンパ節郭清が行われが、組織学的に癌が臓側胸膜表面に露出しており、術後補助化学療法としてcisplatin+vinorelbine ditartrateを行い、初回投与9日目に退院した。投与11日目に左下腿の疼痛で再入院した。血液検査で好中球の減少、炎症反応の上昇、凝固系でフィブリノゲン、血漿FDP、Dダイマーの上昇を認めた。造影CTで左下腿静脈の血栓、右肺動脈A10末梢の血栓を認め、血栓溶解療法としてurokinaseとfondaparinux sodium投与で左下腿疼痛は改善し、抗凝固療法としてedoxaban tosilate hydrate内服で肺動脈内血栓と左下肢静脈血栓の消失を認め、好中球減少に顆粒球コロニー刺激因子を使用した。化学療法後29日目に2コース目を再開し、予定通りの4コースを終了して抗凝固薬内服を中止した。術後18ヵ月の現在再発なく経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016