発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006157645
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43歳女.患者は左乳房腫瘤を主訴とした.マンモグラフィでは境界明瞭,内部斑状でradiolucent zoneを持つ楕円形腫瘤影,カテゴリー 3として描出された.更に超音波では全体に等エコーで一部低エコーの扁平状腫瘤を認め,MRIの造影T1強調画像では腫瘤内部には造影された小結節が小石状構造を呈し,結節間は低信号を示した.また,T2強調画像では結節間の一部に水成分の存在を示唆する高信号域が認められた.一方,針吸引細胞診では,脂肪細胞の小集塊と間質細胞の小集塊が認められ,腫瘍摘出術を施行した.病理組織所見では,腫瘍は薄い線維生被膜に被われ,内部は成熟した脂肪組織を主体として一部に浮腫傾向のある線維化組織があり,その中に小さな乳腺組織塊が島状に点在しているのが確認された.以上より,本症例は乳腺過誤腫(亜型分類adenolipoma)と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2006