発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006157644
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68歳男.患者は嚥下困難,嗄声を主訴とした.上部消化管透視所見では食道Mtに不整型の狭窄像が認められ,上部消化管内視鏡では切歯から28cmの食道に2型の病変を認め,口側粘膜下の膨隆を伴っていた.一方,胸部CTでは左反回神経リンパ節に転移リンパ節を認め,左主気管支と大動脈への浸潤が疑われた.治療として,縦隔に放射線照射後,食道亜全摘術,3領域リンパ節郭清術を施行したところ,病理組織所見では深達度はpT3,術前治療効果はgrade 2であった.腫瘍はpN3,Stage IIIであった.強拡大では扁平上皮の中に粘液を含んだ印環細胞癌がみられ,粘表皮癌と診断された.尚,患者は術後4ヵ月で肺転移となり,胸椎転移を来して6ヵ月で死亡となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006