発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006151913
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88歳,女.心窩部痛を主訴とした.高血圧,不整脈の既往があった.初診時,腹部は平坦で,上腹部に圧痛を認めた.血液生化学検査にてLDHおよびCKの高値を認めた.腹部超音波およびCTにて胆嚢腫大,胆嚢壁の全周性肥厚,胆嚢底部の多数の小結石を認めた.胆嚢捻転症の可能性を考慮しつつ胆石症による急性胆嚢炎と診断した.経皮経肝胆嚢ドレナージを施行したが胆嚢造影で胆嚢管は描出されず,穿刺時に血性胆汁を認めたため胆嚢捻転症を強く疑った.翌日,炎症所見は著明に上昇し,腹部の著明膨満,上腹部の強い圧痛を認めた.腹膜炎による麻痺性イレウスと判断した.緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は著明に腫大し,暗赤色を呈していた.時計方向に270°捻転しており胆嚢捻転症と診断した.病理組織学的に胆嚢壁は全層で出血壊死し壊死性胆嚢炎であった.術後経過は良好で第15病日退院となった
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