発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150033
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75歳女。左胸部圧迫感の出現で当院へ入院した。胸部CTより左胸腔内に胸壁および大動脈弓に接する比較的辺縁明瞭な腫瘤影を認め、MRIよりT1強調画像で筋肉同様な低信号、T2強調画像で高信号と低信号が混在しており、Gaシンチ所見で左上肺野にごく淡い集積像を見るも悪性所見を示すものではなかった。肺腫瘍または胸壁腫瘍を疑うも確定診断が得られず腫瘍および壁側胸膜合併切除術を施行した。90×80×75mm大の充実性腫瘍で膠原線維を介して核異型の乏しい紡錘形細胞が棚状あるいは交錯しながら増殖しており、腹壁外デスモイド腫瘍と診断した。術後2年2ヵ月再発の徴候なく経過中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007