発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006009837
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ss胆嚢癌は切除術式の選択がもっとも予後に影響を及ぼすとされる.その術中超音波検査による壁深達度診断能とその他の診断法による成績を比較し,診断精度を踏まえた対策について考察した.術中超音波検査は周波数7.5MHzの探触子を用い,肉眼的にS0で,最外層の高エコー帯に中断,ひきつれ,凹凸不整がある場合を深達度ssとする診断基準を行い,m,mp癌の4例,ss癌の22例に術中超音波検査による壁深達度診断を施行した.術中超音波診断はss浸潤所見を陽性とした場合,感度86%,特異度100%,ss浸潤正診率88%,偽陰性率14%であった.偽陰性3例はmp主体で一部ssにかかる微小浸潤例であった.一方超音波内視鏡検査(EUS)の報告例の集計では感度65%,特異度86%,ss浸潤正診率76%,偽陰性率35%であった.術式決定にあたってはss浸潤の偽陰性率が上記の頻度で存在することを念頭に置き,再手術も考慮に入れた初回手術と胆嚢全割標本の検索が不可欠であるといえる
©Nankodo Co., Ltd., 2005