症例
腹腔内に多発した卵殻状石灰化像を伴う播種性卵巣囊胞性成熟奇形腫の1例
服部 早苗
1
,
長谷川 伶奈
,
加藤 薫
,
喜多川 亮
,
佐々木 純一
1総合守谷第一病院 産婦人科
キーワード:
Leriche症候群
,
奇形腫
,
腫瘍播種
,
石灰沈着症
,
腹膜腫瘍
,
卵巣腫瘍
,
卵巣摘出術
,
腹壁
,
腹部CT
Keyword:
Calcinosis
,
Leriche Syndrome
,
Peritoneal Neoplasms
,
Ovarian Neoplasms
,
Ovariectomy
,
Teratoma
,
Neoplasm Seeding
,
Abdominal Wall
pp.1471-1475
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021055016
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今回われわれは、CT画像で卵巣成熟囊胞性奇形腫を認めたため紹介された症例で、腹腔内に多発する卵殻状の石灰化を伴う囊腫様病変を認めたため報告する。症例は56歳、脳梗塞で他院に通院中に肝酵素の上昇を認めたため、精査目的に腹部CTを実施したところ、左卵巣囊腫を認めたため、当院紹介となった。造影CT検査で11cmの左卵巣成熟奇形腫と、腹腔内に卵殻状の石灰化を伴い、内部が脂肪濃度の腫瘤、結節が多発していた。また腹部大動脈が右腎動脈直下で閉塞を認め、Leriche症候群も合併していた。下肢血流を維持する側副血行路損傷回避のため下腹部正中切開で左付属器摘出と腹壁の多発腫瘤の一部核出を行った。病理検査では左卵巣は成熟囊胞性奇形腫の診断であり、多発腫瘤は石灰化を伴った反応性に形成された貯留囊胞の診断であった。
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