発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016019433
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症例1は44歳男で、主訴は右下腹部痛であった。3日前より発熱・咳嗽が出現し、血液検査で炎症を認めclindamycinとfosfomycinの注射を受けていた。症例2は76歳男で、主訴は発熱であった。CRP29.0mg/dlを認め、絶食・doripenem点滴により1週間で炎症の改善を認めたが、継続する微熱と限局する下腹部圧痛を認めた。症例3は58歳女で、主訴は右下腹部痛であった。いずれの症例も腹部単純/造影CTで腫大した虫垂に糞石を伴う液体貯留を認め、膿瘍形成が疑われた。3ポートによる腹腔鏡下手術にて虫垂根部を含む盲腸部分切除を行い、ドレーンを挿入した。術後はcefmetazoleを使用し、術後4日目に術中膿培養検査で基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生E.coliが分離され、術後8日目にドレーンを抜去した。症例3はドレーン抜去後も腹部CTにて遺残膿瘍を認め、meropenem投与を6日間追加した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015