発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036507
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小腸疾患12例13病変(男4例,女8例,平均61歳)を対象とした.小腸癌4例,平滑筋腫3例,平滑筋肉腫,顆粒球肉腫,GIST,炎症による小腸穿通,局所循環障害,大腸癌転移が各1例であった.発見動機はイレウスが7例,貧血3例,下血,婦人科手術中の発見が各1例で,病変部位は空腸6例7病変,回腸6例であった.手術は腹腔鏡補助7例(A群),開腹5例(B群)で,11例に小腸切除吻合を行ったが,1例は盲腸癌の腹膜播種による小腸閉塞と術中診断し腹腔鏡補助下回盲部切除と小腸切除を行った.盲腸癌を除く全てが肉眼的治癒切除で,平均手術時間はA群182分,B群113分,出血量は各々139ml,268mlで有意差はなかった.B群の開腹術選択理由は摘出病巣巨大2例,絞扼性イレウス,婦人科手術中の発見,手術歴での激しい癒着懸念が各1例であった.術中偶発症はなく,術後はA群の1例にイレウスが生じたが,保存的に治癒した.腹腔鏡補助下手術は,腹腔内の詳細な観察と至適開腹位置の決定に有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004