発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036506
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
乳腺invasive micropapillary carcinomaの5例を経験した.腫瘍径は平均3.5cmで,Stage分類はI:1例,IIA:2例,IIB:1例,IIIA:1例であった.術前穿刺吸引細胞診では全例悪性の診断で,推定組織型は2例が硬癌,2例が乳頭腺管癌であった.1例のみ細診胞にてinvasive micropapillary carcinoma(IMC)と診断されており,この症例では比較的少量の間質細胞より成るきれいな背景の中に,小型類円形核を有する異型細胞の小集塊を認めた.異型細胞の核は比較的均一で,核クロマチンは微細であり,核小体は小型で目立たなかった.病理組織学的所見では,腫瘍全体に占めるIMCの割合は30~90%であり,最も優位な随伴組織型は硬癌4例,乳頭腺管癌1例であった.IMCの部分では10~20個程度の癌細胞が小乳頭状の癌胞巣を形成して増殖し,中心には線維血管性の芯を認めなかった.これらの癌胞巣は網目状の間質で境され,癌胞巣と間質の間に間隙を認めた.リンパ節転移は3例に,リンパ管侵襲を4例に認め,うち2例は高度乳管内進展を呈した
©Nankodo Co., Ltd., 2004