発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036508
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63歳女.5年前に上行結腸癌で右半結腸切除術を受け,術後1年で骨盤内腹膜再発を生じ直腸低位前方切除術,子宮全摘術を受けた.その後,左鎖骨下静脈穿刺法でカテーテル(Port-A-Cath)留置となり,更に転移性脾腫瘍摘出術,腹腔内再発腫瘍摘出術を施行された.脾臓摘出術後の化学療法中,ポートからの注射時の注入抵抗および疼痛が増強しカテーテルを抜去したところ,ポート接続部から7cmの部位で断裂していた.胸部X線で下大静脈・右心系に迷入する10cmのカテーテルを確認した.1ヵ月前の腹部CT所見を再確認したところ,右心系に迷入するカテーテルを認め,自然断裂と診断した.局所麻酔下に右鼠径部大腿静脈に8Fr Swan-Ganzカテーテル留置用シースを挿入した.バスケット鉗子を下大静脈に挿入し,X線透視下に迷入カテーテルを捕捉してシースと共に摘出した.摘出カテーテル断面は断裂部で楕円形に変形し,走査電子顕微鏡で壁の一部に亀裂を認めた.左鎖骨と第一肋骨に挟まれたことによる圧挫・圧迫などの機械的外力が断裂の原因と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004