発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004275097
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74歳男.検診で左下肺野に胸部異常陰影を指摘された.精査では腫瘍マーカーSLXの軽度上昇,拘束性障害,胸部異常陰影以外に異常所見は認められず,肺癌を完全に否定できずに左肺腫瘍の診断で手術を行った.PAS染色による組織像は,胸膜直下に乾酪壊死を形成し,その周囲に線維性結合組織の包囲,小円形細胞浸潤,リンパ濾胞形成を伴っていた.壊死域には犬糸状虫と思われる寄生虫が少数混在し,壊死周囲には多核巨細胞が少数散見された.術後経過は良好で,術後約1年を経過したが,再発を認めない.術前に肺犬糸状虫症の確定診断を行うことは困難と思われ,診断と治療をかねた外科的切除が望ましいと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004