発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004211518
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
35歳女.以前より胸痛を自覚していたが,結核検診にて胸部X線像上異常陰影を指摘され,生検のため紹介入院となった.入院時の生化学検査では異常は認められなかったが,胸部単純X線所見で右中肺野に長径約1cm強の楕円形結節状陰影を認めた.胸部CTでも同様に右下葉S6末梢肺野に最大径約12mmの結節影を認めた.内部石灰化はなかった.同部位の1cm尾側スライスには,炎症性変化を疑う石灰化を伴った線状影を認めた.本人の希望により胸腔鏡下生検を行うこととした.胸腔内には癒着や胸水を認めず,内視鏡下に腫瘤は視認できなかった.よって,第7肋間の皮切を約3cm延長し,胸腔鏡下に用手的に検索したところ,弾性やや硬で辺縁平滑な腫瘤を触知したため,自動縫合器で肺楔状切除を施行した.術中迅速細胞診にて炎症性瘢痕で悪性像なしとの回答を得たため,手術を終了した.病理組織検査で断定はされなかったものの,肺犬糸状虫症の病理所見と合致していることや,画像上の特徴から考え合わせた結果,肺犬糸状虫症と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2004