発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004259851
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症例1は23歳男で,腹部腫瘤を主訴とした.上行結腸に腫瘍性病変を認めた.下部消化管内視鏡にて,上行結腸にほぼ全周性の2型病変を認め,生検にて中分化腺癌と診断された.3群リンパ節郭清を伴う右結腸切除術を施行した.病理では多量の細胞外粘液を認める腺癌であり,術後110ヵ月無再発生存中である.症例2は26歳男で,腹部膨満感を主訴とした.腹部は著明に膨隆し,腫瘍マーカーCEA,CA19-9は著明な上昇していた.腹部CTにて広範囲の腹水を認め,上行結腸の壁肥厚を認めた.また,周囲のリンパ節の腫大を認めた.生検ではムチンの産生を認め,腺癌(mucinous adenocarcinoma)と診断された.右腎盂に軽度拡張を認め,右尿管浸潤が疑われた.上行結腸原発の大腸粘液癌,右尿管浸潤,癌性腹膜炎と診断し,化学療法を8週間行った.現在,腹水コントロール良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2004