発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004259847
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38歳女.左乳房の腫瘤を主訴とした.左乳房AB領域の腫瘤を自覚し受診した.左乳房AB領域に可動性良好で境界ほぼ明瞭,弾性硬,dimpling不明瞭な腫瘤を認めた.また,右乳房BD領域にも境界不明瞭,弾性硬,dimpling明瞭な腫瘤を認め,右腋窩に相互固定している硬いリンパ節を3個ほど触知した.左腋窩にも交互固定していない硬いリンパ節を3個ほど触知した.マンモグラフィーでは右乳房には腫瘤中心に微細線状石灰化があり,左乳房は全体に微細な多形性の石灰化が散在していた.穿針吸引細胞診所見では,腺癌であった.右はT2N2,左はT2N1bと診断し,手術を施行した.永久標本の病理組織診断で,右C領域にさらにもう1個の小腫瘤を認めた.癌腫瘤は左右2個ずつ存在していた.現在,TAM,LH-RHアゴニストを投与中であるが,再発の兆候は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004