発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194106
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77歳女性.患者は左鼠径部痛と臍周囲膨隆にて受診となった.所見では,臍および左鼠径部のヘルニアを認め,CTでも臍周辺の腹壁欠損と左鼠径部の腹壁欠損を認めて,これらより臍ヘルニアならびに左鼠径ヘルニアと診断した.手術手技は臍の左まわりに皮切を加え,直下のヘルニア嚢を頸部まで剥離し,腹膜と腹直筋後鞘の腹膜前腔を剥離した.ヘルニア嚢を切開して内容物を腹腔内に戻し,余分なヘルニア嚢を切除して吸収糸で孔を閉鎖したそして,Prolene hernia system(PHS)のunderlay patchを腹腔前腔に置き,onlay patchを腹直筋前鞘に縫いつけ,脂肪組織でメッシュを覆い閉鎖式ドレーンを入れて創を閉鎖した.左鼠径部は外腹斜筋腱膜を切開して鼠径管を開放してヘルニア嚢をみいだし,腹膜前腔を剥離してPHSを固定,外腹斜筋腱膜と皮膚を縫合した.経過良好にて,術翌日より普通食となり,術後10日目に軽快退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004