発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004157259
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術中持続温熱化学療法(CHPP)を施行した腹膜播種陽性胃癌症例12例(男性8例・女性4例,年齢35~72歳)の手術成績について検討した.癌腫の占拠部位は3領域を占める全体癌が9例・2領域を占める癌種が3例,肉眼病型はBorrmann4型が10例・2型2例,進行度は全例Stage IVであった.CHPPの方法は切除再建操作終了後,正中創部にperitoneal cavity expanderを装着し,carboplatin 900mgとmitomycin C 30mgを溶解した42~43℃の温活水15Lを45~60分かけて腹腔内を灌流させた.その結果,術後2週目に腹膜播種結節による腸閉塞が発現した1例と再発徴候を認めない2例を除く9例では,術後2~18ヵ月(平均9ヵ月)目に再発を認め,再発形式は腹膜播種増悪7例・リンパ節再発1例・局所再発が例であった.再発例9例の生存期間は2~24ヵ月(平均11ヵ月)で,24ヵ月以上生存したのは2例であった.同時期のCHPP非施行手術の17例との比較では,CHPP施行例の生存期間の有意な延長を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2004