発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004157260
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
内視鏡的空腸瘻造設術(PEJ)施行の5症例(男性3例・女性2例,平均年齢79.2±12.0歳)を対象に同時期に内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行の20症例(男性15例・女性5例,76.6±7.0歳)を対照群とし適応・効果・合併症・予後について比較検討した.原因疾患ではPEJ群は脳血管性痴呆3例・アルツハイマー型痴呆1例,PEG群は脳血管性痴呆11例・アルツハイマー型痴呆6例で,両群間に有意差はなかったが,PEJ群の1例に食道裂孔ヘルニアがみられた.PEG作成理由ではPEJ群では嚥下性肺炎4例・嚥下困難1例,PEG群では嚥下性肺炎11例・嚥下困難9例と有意差はなかった.術後合併症の頻度ではPEJ群では全例に,PEG群では5例とPEJ群で有意に高かった.予後では1年生存率はPEJ群で60.0%,PEG群で64.6%と両群間に有意差は認めず,死亡原因はPEJ群では全例,PEG群では5例中4例が嚥下性肺炎であったが有意差は認めなかった.以上より,PEJは高齢者の栄養維持管理の対策として有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004