発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004039745
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51歳女.左乳房の腫瘍を触知した.既往として25歳時にneurofibromatosis 1(NF1)と診断されていた.左乳房AC領域に硬い腫瘤を触知し,また,体幹部を中心にカフェオレ斑を認め,米粒大から親指頭大まで境界明瞭な軟らかい腫瘤が多発していた.マンモグラフィー所見では腫瘍に一致し高濃度陰影と微小石灰化像を認め,超音波所見では辺縁不整形な低エコー像を認め,内部不均一,石灰化と思われるsmall strong echoを有していた.穿刺吸引細胞診では多くの細胞が採取され,乳頭状の集塊を認めclass Vと診断した.T2N0M0 stage IIA,左乳癌の術前診断にて胸筋温存乳房切除術を施行した.病理組織所見は乳頭腺管癌であり,一部にscirrhousな浸潤像が認められた.術後経過良好にて退院し,術後4ヵ月の現在,再発徴候はない
©Nankodo Co., Ltd., 2003