発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004039744
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検索し得た乳腺扁平上皮癌の本邦報告例141例に当院での4例を含めた145例について検討し,当院の浸潤性乳癌404例と比較検討した.本邦報告145例の腫瘍最大径は平均5.0cmで,左に多い傾向があり,炎症所見を伴うものが54%と多く,それを反映して嚢胞あるいは壊死を伴うものが61%に認められた.ER陽性率は20%と低率で,リンパ節転移は42%に認められた.乳腺扁平上皮癌145例と当院の浸潤性乳癌404例の腫瘍径の比較では,有意差をもって本邦報告例で腫瘍径が大きく,stageの進行しているものが多かった.5年,10年生存率は乳腺扁平上皮癌で有意に予後不良であったが,腫瘍径,stage別の検討では予後に有意差はなかった.乳腺扁平上皮癌の混合型と純粋型の比較検討では,2群間の生存率に差はなく,ER陽性,陰性の予後に関して両者に差はなかった.リンパ節転移のあるものの予後は有意に不良で,リンパ節転移がなければ10年生存率は95%であった.炎症を伴ったものの予後は不良であった
©Nankodo Co., Ltd., 2003