発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011292659
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手術を施行した腹壁ヘルニア94例(男36例・女58例・平均65.9歳)について検討した。内訳は腹壁瘢痕ヘルニア57例、傍ストーマヘルニア3例、白線ヘルニア3例、臍ヘルニア25例、Spigel(半月状線)ヘルニア2例、外傷性ヘルニア4例であった。腹壁瘢痕ヘルニアでは42例にメッシュを使用し、非吸収性メッシュ29例、複合メッシュ13例であった。基本的にはヘルニア嚢を十分に剥離し腹膜を閉鎖した状態で腹膜前にメッシュを固定したが、健常な筋膜を十分露出してより浅い層に固定することの方が多かった。メッシュを用いず筋膜縫合を行ったのは15例であった。臍ヘルニアではメッシュを5例に使用した。全94例で再発はなかったが、術後合併症はメッシュ使用57例中5例に認め、漿液貯留3例、感染、皮膚壊死各1例であった。漿液貯留は抗凝固薬例、抗癌薬内服例が1例ずつあり、感染は糖尿病患者で、最終的にメッシュ除去を要した。皮膚壊死例も抗凝固薬を内服していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011