発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207576
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過去40年間に著者ら施設で急性腹症として緊急開腹術を行い,穿孔性腹膜炎をきたした小腸悪性リンパ腫8例について検討した.男性5例,女性3例,平均年齢52歳で,初発症状は腹痛7例,下血1例であった.腹部X線・CT検査で術前にfree airを認めた症例は5例(63%)であった.開腹所見で単発穿孔を7例(空腸3例,回腸4例),多発穿孔を1例(小腸6ヵ所,胃前庭部前壁1ヵ所)に認め,肉眼的分類は潰瘍型5例,びまん浸潤型3例であった.単発穿孔例では小腸部分切除を6例,広範囲小腸切除を1例,多発穿孔例では穿孔部閉鎖術を行った.病理組織学的に全例non-Hodgkin malignant lymphomaで,LSG分類はdiffuse large typeが5例,diffuse small typeが1例,不明2例であった.免疫学的検索ではB細胞性3例,T細胞性2例であった.術後補助療法として多剤併用化学療法が4例に施行され,うちVEPA療法1例は術後10年間,CHOP療法1例は術後2年7ヵ月間無病生存中で,他の2例は術後7ヵ月目に死亡した.術後補助療法非施行症例4例はすべて10ヵ月以内に死亡した
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