発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163860
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46歳女.心窩部痛,背部痛を主訴として近医で膵癌を指摘され,当科紹介となった.血液検査では軽度貧血,胆道系酵素の上昇を認めた.腹部超音波所見では主膵管の拡張,膵頭部にlow echoic massを認め,CT所見では膵頭部から鉤部に充実性腫瘤を認め,腫瘤は腹腔動脈,上腸間膜動脈を巻き込んでいた.内視鏡的逆行性膵胆管造影所見では主膵管の途絶,総胆管のスムーズな狭窄を認めた.腹部血管造影所見では十二指腸動脈アーケードの開大,encasementを認め,上腸間膜静脈と門脈本幹には狭窄がみられた.以上より門脈浸潤を伴う膵頭部癌と診断して膵全摘術および門脈再建を行った.病理組織学的にB細胞リンパ腫(び漫性,混合型)で,膵原発悪性リンパ腫と診断した.経過良好で術後34日目にEPOCHによる化学療法を行ったが,骨髄抑制を起こし肝膿瘍,敗血症で半年後に死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003