発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003116857
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46歳男性.噴門側胃切除術(噴切)後に生じた残胃早期癌の1例を経験した.1990年12月に胃体上部小彎側の平滑筋腫で空腸間置による噴切を施行し,幽門形成は行わず迷走神経は切離した.その後,十二指腸潰瘍で定期的に上部消化管内視鏡検査(GIF)を受けていた.1991年4月のGIFで前庭部大彎前壁にIIa型の隆起性病変を認め,生検で印環細胞癌と診断された.腫瘍径5mmで内視鏡的粘膜切除術を行った.深達度はmであったが,切除断端が陽性であったため残胃全摘,間置空腸十二指腸吻合術を施行した.摘出標本の1切片の粘膜内に遺残した癌を認めたが,残胃に萎縮性胃炎や腸上皮化生の所見はなかった.噴切後も定期的な内視鏡,上部消化管造影での経過観察が必要で,そのためにも間置空腸は長すぎることなく適度な長さがよいと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002