発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001232794
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96歳女.悪心,嘔吐,腹部膨満を主訴とした.開腹術施行の既往がなく,突然にイレウスを発症した為,当初悪性腫瘍を考慮したが,イレウス管造影と典型的なCT所見から閉鎖孔ヘルニアによるイレウスと診断した.腸管切除術を施行し,術後経過は良好であった.閉鎖孔ヘルニアによるイレウスは,高齢者に多く認められ,そのため全身状態の悪化を招き易く死亡率も高い.よって原因不明の高齢者のイレウスに対しては,常に本疾患を念頭に置き,Howship-Romberg signの確認だけでなく,積極的に骨盤部CT検査,超音波検査,イレウス管造影検査を施行し,早期の手術が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2001