発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026455
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75歳女.左乳房腫瘤を主訴とした.マンモグラフィーで左乳房C領域に約1cm大の微細石灰化やspiculaを伴わない腫瘤陰影を認めた.諸検査により原発性乳癌を疑ったが,excisional biopsyを行い,迅速病理の結果で根治術の要否を決定することとした.腫瘤は皮膚直下の乳腺組織上に存在する辺縁平滑,境界明瞭な弾性硬の白色充実性球状腫瘤で,皮膚との連続性はなく胸筋への浸潤も認めなかった.迅速病理診断で扁平上皮癌と診断され,両胸筋温存乳房切除術とリンパ節郭清を施行した.病理組織診断により,比較的稀な混合型扁平上皮癌,乳腺原発と最終診断された.術後経過は良好で,1年10ヵ月を経過する現在,再発の兆候はない.なお,マンモグラフィーでは自験例のような悪性を示唆する所見は少ないとされている
©Nankodo Co., Ltd., 2002