発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002181551
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68歳女.約11年前に脳梗塞(右半身麻痺・失語・寝たきり状態),5ヵ月前に胃瘻造設術の既往があり,今回,著明な腹部膨満と頻回の嘔吐で救急搬送され入院となった.入院時,腹部単純X線・CT所見で,巨大な腸管ガス像,下腹部から骨盤腔を占める巨大な腸管拡張像と回盲部に渦巻状の腫瘤がみられた.全身状態不良で脱水をきたしている為,緊急開腹手術は危険と判断し,局麻下に16Frバルーンカテーテルチューブ挿入による腸瘻造設術を臍下部に施行した.減圧効果は極めて良好で,その後の胃瘻造影所見から狭窄部は回盲部であることが判明し,腸瘻造影所見で拡張した回盲部とbird beak signを認め,徐々に造影剤が肛門側に流出していることから盲腸軸捻転症と診断した.全身状態の改善を待って,入院後26日目に硬膜麻酔下に開腹術を施行し,移動盲腸状態で腸間膜を軸に180度捻転していた為,腸瘻部を含めた回盲部切除術を施行した.術後経過は良好で合併症なく術後20日目に退院となった
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