発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002089002
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45歳女.乳癌検診で両側の乳腺症を指摘され,受診した.Doppler imagingで両側の腫瘤とも著明な血流増加が認められた.腫瘍の範囲が明確には同定できないが,両側の乳癌が疑われると診断した.マンモグラフィ検査では両側乳房のAC領域に瘢痕様の索状構造と同部の濃度上昇が認められ,両側乳癌と診断した.穿刺吸引細胞診では左右の腫瘤ともClass IIであった.そこで,超音波検査で腫瘤と思われる部位を同定した後,生検を施行した.右腫瘍は乳頭腺管癌,左腫瘍は充実腺管癌で,共にintraductal spreadingが認められた.両側の胸筋温存乳房切除術を施行した.リンパ節転移は認めなかった.経過は順調で退院した.術後tamoxifen,UFT-Eの投与を行っているが,現時点において,再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001