発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034224
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47歳女.6年前に自己脂肪の注入による豊胸術を受けていた.今回,左乳房腫瘤に気づいた.左乳房CEA領域に7.0×3.5cmの弾性硬,可動性不良な腫瘤を触知した.超音波検査では境界明瞭,辺縁整,内部に高エコーと低エコーの混在した腫瘤像を認めた.マンモグラフィーでは,被膜を有した脂肪と思われる透亮像を背景に網状の実質濃度からなる腫瘤像を認めた.CTでは,左乳房に厚い皮膜を有した一部石灰化を伴う辺縁整な腫瘤像を認めた.自己脂肪の乳房内注入により生じた腫瘤と診断した.乳房に左右差があったことや本人の希望により,乳房の外側に切開をおき,大胸筋の前面を剥離して後方より腫瘤を摘出した.摘出した腫瘍は線維性被膜を有し,内腔に2~4mm大のビーズ状の結節が多数存在していた.組織学的には,病変は変性が強い脂肪組織で,軽度ながら異物巨細胞もみられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004