発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002079085
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54歳男.検診の腹部超音波検査上,左腎上極に径7cmの腫瘤を指摘され自施設を受診した.腹部MRI検査を行ったところ,T1強調像で低信号,T2強調像で高信号を示す腫瘍が認められ,全体に強く造影された.その尾側の腫瘍はT1強調,T2強調像のいずれにおいても低信号を示し,造影効果はやや弱かった.腹部血管造影検査では中副腎動脈及び下副腎動脈から栄養される中等度のvascularityをもった腫瘍が左腎上極に存在することが示された.これらの所見より後腹膜線維症を疑ったが,MRIの信号強度が異なる2個の腫瘍があり腫瘍径も大きいことから,悪性疾患も否定できず摘出術を行い,病理組織学的に後腹膜線維症と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2001