特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第13章)乳腺外科 ホルモン補充療法有害事象としての乳がん
片岡 明美
1
,
阿部 朋未
,
大野 真司
1がん研究会有明病院 乳腺センター乳腺外科
キーワード:
エストロゲン代償療法
,
乳房腫瘍
,
マンモグラフィー
,
診断サービス
,
紹介と相談
,
乳房超音波診断
,
乳房痛
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Estrogen Replacement Therapy
,
Mammography
,
Ultrasonography, Mammary
,
Referral and Consultation
,
Diagnostic Services
,
Mastodynia
pp.463-467
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140498
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<産婦人科医におさえてほしいポイント>わが国の乳がん罹患率は増加の一途をたどっており、2018年の推計患者数は約94,000人で、子宮頸がん11,000人、子宮体がん17,000人、卵巣がん13,000人を合わせた婦人科がん約41,000人の約2.3倍となった。乳がんと婦人科がんの好発年齢はほぼ重なっており、産婦人科医が日常診療している妊娠、出産、月経困難、更年期障害などの女性患者の中には潜在的乳がん患者も混じっており、婦人科がん患者を10人診断したときには、実は23人の乳がん患者が隠れている計算になる。わが国の乳がん検診受診率はまだ40%台で、死亡率減少効果が期待できる国の受診目標値50%に達していない。検診受診につながる行動変容には医療者からの直接的なアドバイスが最も有効であるため、産婦人科外来を受診した40歳以上の女性には乳がん検診を勧め、若い女性にも家族歴や自身の乳房の変化に留意する習慣「ブレストアウェアネス」を勧めていただきたい。
Copyright© 2022 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.