発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003005157
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳女.幽門側胃切除術,D2郭清術,結腸後B-II型胃腸吻合術を施行した.術後5-FU製剤の投与を始めるも,食欲低下,吐気が強く,同時に高尿酸血症による痛風様関節発作を併発したため中止した.その後逆流性食道炎と残胃炎を認めたが,吻合部潰瘍や狭窄は認めなかった.Omeprazoleとcamostat mesilate投与でも改善は得ず,嘔吐が頻繁になり入院となった.胃X線検査では造影剤が輸入脚に流入して,拡張した輸入脚が造影され,輸出脚への流入の遅延が見られた.その他,水腎症,腹水,右卵巣腫瘍を認めた.拡張した輸入脚を改善するため手術を施行した.癌病変が一塊となり,輸出脚部が圧迫され,輸入脚に食物が流れて,嘔吐の原因となっているものと思われた.輸入脚と狭窄部より肛門側の空腸を側側吻合した.右卵巣腫瘍は充実性腫瘍で胃癌の転移と診断された.術後3週目よりlevofolinate・fluorouracil療法を開始した
©Nankodo Co., Ltd., 2002